町内在住の老婦人から岡山の孫娘さんの結婚が決まったので、おばあちゃんからのお祝いとして、訪問着を作ってやりたいと相談を受けたのは昨年末でした。

正月は構想を練り、七日を過ぎた所で下書きを描き、二、三十年晴の日に着て、娘さんにゆずれるよう心を込めて染めました。

帯や小物は東京に出かけ、三越本店で選び、上品で普遍的な取り合わせにしました。

着物が仕立て上がり帯も仕上がって届き、老婦人に連絡、おじいちゃん、おばあちゃん、岡山のご家族、皆さんお揃いで受取りにみえ、大喜びしてくださいました。

作家冥利に尽きる一時でした。