染色の専門学校を卒業して、東京から親許に帰り、古い大きな家の一部をリフォームして仕事場を作ってもらいました。

両親ともに元気で私の創作活動の支えでした。

 

月に一度、隣町の京染取次店、森里さん宅に京都から大荷物を積んで問屋さんがみえた。

早めに伺って到着を待ち、白生地が出されると好みの地紋を選び、専ら自分用の着物をデザインして染めていた。

 

初めての個展を津山市で開いた時、森里の奥さんが一番にみえて喜んで下さいました。

奥さんには実子が無く、私の成長を自分の娘のような感情で見守って下さっていました。

三十余年お世話になりましたが閉店。

森里家の墓には若くして亡くなられた前の奥さんが眠っておられますので、生家の籍に戻り、別の寺に小さな墓を建てられました。

「尚子さんの近くなら、時々参って下さると思って」と言われたのが心にあり、時々お参りしております。

後を託した姪ごさんは病がちでしたら、どうしていらっしゃるか、気にかけて花を供える人もいない様子、出来るだけお参りするようにしています。

 

スロベニアとボスニアの旅の報告に6月6日お参りしました。

帰途、急坂をゆるゆるバイクで上がっていましたら、崖の上から藪苧麻の葉

 

止めて見上げると…

ある!ある!ある!

めったに見つからない植物なのです。

8,9日が年に一度のワークショップの日でしたので、皆さんにこれで染めてもらおうと予定変更

7日は雨でしたが、合羽を着て鎌を手に斜面に張り付いて刈っておりますと

タクシーが通る

乗用車が通る

スピード落として見上げて通る
(何をしようりんさるかと不思議だったと思います)

気にせずたっぷり収穫して帰宅、染液を作りました

 

森里の奥さんが天国から藪苧麻の場所を教えて下さったような気がしています。

ワークショップでは皆さん大喜びで草木染では珍しい味のある色のスカーフが染上がりました